今や、
伊坂幸太郎さんの代表作となった『
ゴールデンスランバー』出版から半年ほど経ちましたが、ようやく読みました。というか読めました。
「
伊坂幸太郎が全力でエンターテイメントに挑んだら」をテーマに完成させた本作品。
これまで、読者を唸らせてきた伊坂作品に見られる、様々の手法がふんだんに盛り込まれていることから集大成とも呼ばれ、その評判の高さは全国の本屋さんが、選ぶ
本屋大賞を受賞するに至りました。
出版された当初から、早く読みたくて仕方がなかったのですが、
伊坂幸太郎さんの作品は、どれも読んでいるので期待がどんどん高まって行きました。
これまでの
ラッシュライフ、
重力ピエロ、
アヒルと鴨のコインロッカー、
死神の精度や
砂漠といった、どれも発想や構成力に秀でていて鮮烈さを覚えました。(特に
砂漠がお気に入り)
期待が高まる一方だった、
ゴールデンスランバーも読み終わって大満足でした。
総理大臣の暗殺犯に仕立てあげられた主人公が、とにかく逃げ回る。これだけ聞くとハリウッド映画のような設定ですが、内容は伊坂テイストが満載でした。
伏線のつながり、主人公青柳を助ける個性的な人物たち、そして学生時代がフィードバックされる作りもノスタルジィを感じさせます。
特に300Pすぎ辺りから伏線がつながり始めていく、気持ち良さがたまりませんでした!!
逃亡者の話としては、
ダヴィンチ・コードの方がよくできた話なのでしょうが、序盤からの伏線やセリフがつながる面白さ、
伊坂幸太郎の生み出した逃亡劇はこれまでのスタンダートな物とは、一線を画す存在に、間違いなくなりました。
| 伊坂 幸太郎 新潮社 ¥ 1,680 (2007-11-29) |
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